行ってきました。文楽人形を使ったもので、人形浄瑠璃です。

 内容は源氏物語の葵。どうやら定番らしくて内容は、嫉妬の炎を燃やして六条御息所が光源氏の正妻である葵を呪いをかけるという話。光源氏の身から出た錆のような気もしますが……。

 それを現代風にボカロを絡ませてアレンジしています。内容は、一時期はやった合成音声ソフトミドリも今は昔。当時はミドリを使って作曲していたヒカルは今、アオイという歌い手と一緒に活動していました。そんなか、突然アオイが倒れます。持っていたのは割れたCDと慈救呪という楽譜。果たして彼女に何があったのか……、というもの。
 元ネタを知っているとにやりとしてしまいますよね。ヒカルとか。

 文楽については全く知識がありませんが、細かな人形の動きには驚きました。もちろんクライマックスのシーンは圧巻ですが、開けた扉を閉めるような動作など細部の動きがとても印象的でした。あの顔の変化はどうやっていたのだろう?

 さて、オペラといえば私が真っ先に思い浮かべるのがTHE ENDです。このTHE ENDとの違いを考えると面白いのではないかとふと思いました。

 どちらもVOCALOIDが廃れたら? という設定。THE ENDはそうではないような気もしますが、少なくともそれに直面したのは確かです。そのことについてTHE ENDはVOCALOIDが生き残る道を示しているのに対し、葵上はVOCALOID自体がもうありません。ゆえに亡霊として出てきます。文楽畑の方が見た時に一番理解できないのはそこなのではないのでしょうか。なぜミドリがアオイに取り付いたのか。そのバックボーンがそこなのだと考えます。VOCALOID界隈での出来事を知らないとなかなか理解に苦しむ設定でしょう。
 なによりTHE ENDとの決定的な違いは「VOCALOID目線」か「人目線」かということ。葵上はもちろん後者です。ミドリは社会と隔絶された完全に異質なものとして表現されています。THE ENDの初音ミクは社会での変化で忘れ去られることを恐れていたわけですから、葵上はTHE ENDのその後と無理矢理つなげることも可能ですね。もちろん、両者に関連性はないです。

 私個人としてはいちいちボカロの名前を出すことなく自然とVOCALOIDを使ったこういう作品が出てくるということを望んでいるのですが、果たしてそんなことはこれから起こるのでしょうか?
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