数年に一度ぐらいの確率ですが、読むべくしたタイミングで読んだ本、というのがあります。この本がまさにそうで、ほんの僅かですが胸のつかえがおりた気になりました。最も帯の上に「人生を抜群に楽しむための、”ちょっとした”アドバイス」などと書かれてますが、これはウソです。これを読んだからって人生を抜群に楽しめるようになるとは思えません。ただ、私のような人間にある胸のつかえがおりる程度です。

←結局はタイトル通りの内容です。


 内容はとてもふつうのコトが書いてあるだけです。職業に貴賎はない。人は働くために生きているのではない。やりがいについて、などなど。ただ、社会はどうもそう思っていないフシがある。アマゾンのレビューなんかでは当然のことが書いてあるだけだというのがありますがその当然のことがわからなくなってしまっている人がいる。どうしてそうなってしまったのか。それは、仕事に人生の比重が大きいからだ。これが本の中に書いてある大雑把な内容です。

 私にとっては「長く働こうと思うからやめる?」という項目(P134)は目から鱗が落ちる思いでした。そして問題はすべて人間関係というのも正しく、アマゾンのレビューで『酷評として』当然のことが書いてあるだけだといっている方がにはぜひ、この人間関係の問題を改善するように頑張ってもらいたいものです。

 著者は助教授から小説家へという遍歴の持ち主なので、私のようななんの取り柄もない一庶民とはかなり違う生活をしてきたし、これからもしていくのでしょう。だから「所詮は住む世界が違う話」を閉ざすにはいかないほど、当然なことが書かれています。

 本の最後のほうで、

ただ、たいてい、みんなそれで元気になる。僕は、不思議だ。(P213)

と、書いてあります。私にとっては別段不思議でも何でもないことです。なんだかんだいいながらも、本当にいってほしい言葉をいっている。相手を肯定も否定もせず、ただ自分の意見をいうだけのこと。自殺しようとしている人に対して「「僕は嫌だ」と言うしかない(P219)」と無力だといわんばかりでいっていますが、その言葉がどれだけ自殺しようとしている人に対して動揺させるか、著者は気づいてないでしょう。そして、私自身としてはそのことに気づかないでいてもらいたいと思っています。なぜなら、私は知っているが上にその言葉をいえないのですから。

 当然のことを当然だといって一蹴することこそが最もやってはいけないことなのかもしれません。なぜなら、路頭に迷う時は当然のことを否定されるのですから。
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