最近多い、ボカロ小説です。「こちら、幸福安心委員会です。」です。元の曲はこちら。



 ストラトスフィアなどのうたたPとラノペ作家の鳥居羊の作品です。小説の方も鳥居さんが書いているので、これまでの小説と違ってイメージが違う、ということは殆どないと思います。そういった意味で原曲が好きな方にも素直におすすめできる作品。

 話の内容は、みずべの公園都市というコンピュータに管理されている世界で、主人公蓮は緑川初音という少女の謎に迫っていく、というもの。しかしなんというか、主人公の行動目的がいまいちよくわからない話です。この説明でいいんか、迷ってしまいます。

 この小説の読みにくさはまさにそこなのだと思います。主人公の行動原理がよくわからない。初音を助けたいともとれるし、自分の記憶をはっきりさせたいとも取れる。この世界をコンピュータから取り戻したいというわけでもなく、最期まではっきりしない。クールに決めるのはいいとしても、せめてそこははっきりとさせて欲しかったです。

 囚人と紙飛行機のように巻末にはちょっとした用語集があります。「囚人~」とは違って世界観がある程度わかるものですが、正直この辺りはしっかり物語の中に組み込んで欲しかった。その辺りの語り部としてうってつけなキャラ、キューレボルンがいるのですから。

 とはいえ、曲の中とのリンクはしっかりしています。なんだかんだで物語が曲一曲分に収まっているところはさすがと同じ人、といったところです。

  
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