ようやく読み終えました。「桜ノ雨 僕等が巡り会えた奇跡」です。ここでは桜ノ雨2ということにしておきましょう。

 前作、桜ノ雨の続編となりますが、著者は変わっております。基本的な設定は変わらず、話の進み方が前作は四季をオムニバス形式で追いかけるというスタンスだったのに対して今回は合唱部の部長になった未来一人になっています。これがうまくいっているかどうかと聞かれれば、また難しいところです。と、いうのも夏から秋にかけてがどうも話を端折り過ぎのような気がしてならないから。全体として振り返った時に話の流れはいいとしても細かなところで断続的になってしまうのですよね。今回も四季で分けたのが裏目に出てしまったのかもしれません。

 あらすじでざっと説明があるものの、前作を読んでおいたほうがいい小説です。と、いうのも前作がオムニバスだったため登場キャラクターたちの心境がよくわかるからです。特にハル先輩あたりは前作を知っていることが前提のような感じもしました。桜ノ雨を絡めることで説明することも可能といえば可能ですが、この曲が有名になっているという設定があるためやはり力技感が出てしまいます。だから仕方ないことなのかもしれません。

 小説そのものは読みやすく、なにがいいたいのかがはっきりしているためかすんなりと心にきます。ほとんどのボカロ小説が元となる曲に振り回されているか、ひとりよがりになっている作品になっているので、そういっためんでやはりおすすめしやすい。単に青春モノに私が弱いから、というのもあるのでしょうが。

 VOCALOIDを知っているとにやりとしてしまうキャラクターがゴマンと出てくるのは流石です。ただ、活躍の機会が少ないのはやっぱり寂しいです。特に鈴と蓮とか気になります。そして意外と海斗先生が出てきます。前作じゃ空気当然だったのに……。それ以外に一年生組ももっと活躍させても良かったんじゃないのかなぁ、と。なんだか、注文が多くなってきたのでこのへんで。

 小説としてはそこそこですが、なんだか物足りないというか、あっさりしているというか。一人の1年間を追うには少々掘り方が浅かった作品です。



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