久々のライトノベルの感想です。「仮想天使は魔術を詠う(榊 一郎 スマッシュ文庫)」です。あとがきにもある通り、かなりVOCALOIDを意識した作品になってます。

 あらすじは、病気で声を失った幼馴染の声をを取り戻すため主人公は合成音声が作れるというソフトを探し出す。過去に録音した幼馴染の声を再現するためだったのだが、実はそのソフトは過去の出来事をなかったことにする魔法のソフトだった。しかし、その魔法を使うためには同じソフトを使うものと戦い、最後の一人にならなくてはならなかった。と、いった内容。魔法にバトルとラノベの王道ともいえる内容になっています。

 さて、ここからは話の内容よりもVOCALOIDについての話。これまで紹介したボカロ小説といわれるものとは違い、これといったVOCALOIDのパッケージキャラクターはもちろん、元となったミリオン動画はありません。VOCALOIDの扱いは「拝啓、あなたはボーカロイドを知っていますか?」に近いものがあります。「拝啓~」にラノベの王道、魔法バトルを組み入れればこの小説になります。

 残念なことにリバーブとか色々DTMでよく耳にする単語が出てくるものの、それが直接物語に反映されていないです。どうやら、バトルなどでは有効らしいですが、一冊で完結させたためかおもいっきり端折られてます。最もこの辺りは物語全体でいえることで、主人公が成長していないというか、それを書いていないというか……。まさか、魔法ではなくて兵器でドンバチやるなんて思いもしませんでしたよ。

 ボカロ小説を、曲がメインにあって作られた小説と定義するのであればこの小説は間違いなくボカロ小説ではありません。しかし、VOCALOIDを意識した小説と定義するのであらばボカロ小説になります。もし、後者のスタンスに立てるのであれば、VOCALOIDの切り口の一つとして手にとって見るのも面白いです。そして、どうやらその辺りを作者も意識しているようなのでどんどん切ってみるのはいかがでしょうか。



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